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2010年6月16日 (水)

崩壊しつつある米連邦国家。(誰がこのような国になりたいと思うのか)

ニフティの『ご隠居系ブログ』というブログを読んでいたところ、『In Deep』という名称の翻訳ニュース系ブログの存在を知った。
副題が「地球最期のニュースと資料」とあるように、その手のニュースを集めたブログには違いないが、きちんとソースを明らかにしている点で、信憑性に乏しい情報を興味本意でばらまくような類似のブログとは一線を画している事が分かる。
いくつか興味深いニュースが取り上げられており、特に最近の米国関連のニュースを抽出しただけでも、もはや、合衆(州)国としての紐帯も連帯も失われつつ恐るべき米国の“影の現実”が浮かび上がってくる。
それらのニュースに共通する背景について、私なりに綜合的に判断するなら、問題の焦点は、米国の国家崩壊的状況を辛うじて表面化させずにいるもの、そして、同時に、米国民の紐帯と連帯とを蝕み国家としての統合を失調状態に追い込みつつあるもの、それがともに《金融》である事が見えてくる。
《金融》をめぐる誤った理念/誤った思想/誤った理論が、米国民の上にシャワーのように降り注いだ結果、米国を虚飾の繁栄に導いた同時に、国民国家としての健全性を足許から掘り崩し蝕んでいる状況が見えてくる。

とりあえず、同ブログに6月以降エントリーされた米国関連のニュースを見てみよう。
(以下、『』内は引用、※以下は引用者注及び感想)

6/3付『アメリカ合衆国で広がる「黒人と白人との戦争」のムード』
出典:RT
(※アメリカ合衆国の新ブラックパンサー党のリーダーへのインタビューをまとめた記事である。アフリカ系米国人によって結成されたブラックパンサー党も新ブラックパンサー党も、一般的には過激派的な政党とみなされている。無理からぬ面もあろうかと思うが、しかし、彼らの所有する危機感を私たちは無視することはできないはずだ。特に記事中の次のような記述は、今、アメリカに生じている必然的な危機の一端を垣間見せてくれる)
『黒人と白人の人種問題は、米国の歴史の中で常に緊張していた。そして、黒人大統領の当選後は、特にティーパーティ運動(保守系のアメリカ白人による市民運動)による反黒人ムードが高まっている。
ティーパーティ運動家たちに、シャバス(※新ブラックパンサー党の理論的リーダーの一人)は言う。「我々はすでに戦争中だ。そして、戦争の準備をしている」と。
シャバスは出入国管理問題もアメリカの同じ人種差別的なムードをあおっているという。
「ラテンアメリカ系に咬む犬どもは、我々黒人を咬む犬と同じだ」。
本当の移民は、ラテンアメリカ系ではなく、アメリカ大陸にやって来てネイティブ・アメリカン(※かつて、アメリカン・インディアンなどと呼ばれた人々)を殺して入植した白人たちだとシャバスは言う。今こそ、黒人とラテンアメリカ系およびネイティブ・アメリカンは団結するべきだとも言う。
ティーパーティ運動家たちとの戦争についての可能性について尋ねられた時、シャバスはこのように答えた。
「それは起きるだろう」。』

6/4付『アメリカで増加する年配の飢餓人口』
出典:ウェスト・バージニア・メディア
『ウェスト・バージニア州の年配者の中で飢えを訴える人の数が増え続けており、最近の不況がこの事態にさらに拍車をかけている。
飢餓を訴える年配者の数は、合衆国全体で500万人に達している……
米国農務省によると、年配のウェスト・バージニア州民で、飢餓を訴えている数は、州全体の12%に達した。』

6/7付『アメリカでは8人に1人が食糧配給券で生き延びている』
The Boston Globe
アメリカの失業率が26年ぶりの高い水準となり、それに伴い、2010年3月に食糧配給券(フードスタンプ)を受け取ったアメリカ人の数が初めて4000万人を上回った。
アメリカの栄養補給支援事業(SNAP)が交付した食糧購入補助者の数は合計4020万人となり、受取人の数は年初より21%の増加、前月よりも1.2%の増加となり、16ヶ月連続で記録を更新した。』

6/9付『アフガニスタンでの米兵死者の総数が1000人を越える』
出典:Press TV
『CNNが集計したところによると、この二日間で9名が死亡したことにより、この104ヶ月間で1001のアメリカ兵が死んだという。
アフガニスタンの情勢は日々悪化しているとCNNは述べた。』

6/12付『ニューヨークの州政府が数日内に機能停止の危機』
出典:CBS
『現在、ニューヨーク州の立法府による予算審議は行き詰まっているが、州政府は機能停止に向かっているのかも知れない。少なくとも知事はそう考えているようだ。
「州政府機能の一部停止がどんな影響を及ぼすか誰にもわからない。ニューヨークの州や市は想像を絶する混沌に見舞われる可能性がある」とパターソン知事は言う。
民主党のパターソン知事から提出される次の緊急予算は、最大で3億5000万ドルの福祉サービス予算とメンタルヘルス予算の削減を含んでいるという。
しかし、最近、予算審議でのパターソンの味方になった共和党議員たちはこの案に満足していないという。
彼らは以下の分野で、7億5000万ドルの予算の削減を求めている。
・福祉交付金の延期
・雇用条件に合わない者への福祉の停止
・ドラッグ・アルコールプログラムで与える金額の現象。』
(※要するに、大規模な予算削減をしない限り、ニューヨーク州政府は破産の危機に瀕するということだろう。注目すべきは、民主党所属の知事の予算削減案に共和党が乗り、なおかつ更なる削減を要求。これに民主党議員側が反発。知事は板挟みで身動きが取れず、ついに脅迫的言辞を弄び始めたという事だろう。第三者としてみれば、実に滑稽な騒ぎだが、各代表がもはやなりふりに関わってはいられないほどの状況が米国内には出来していると見て良いだろう)


6/14付『数ヶ月単位での遅れが生じてきているアメリカの食糧配給(フードスタンプ)制度』
出典:News West9
『AP通信の報告書によると、米国の39の州で、何十ものフードスタンプ(食糧配給券)プログラムが少なくとも申込者の4分の1の援助を数週間から数ヶ月、待たせたままにしているということが明らかになった。
アメリカの連邦法では、フードスタンプは、もっとも貧しい家族を優先として、申請に対して30日以内に審査することを要求している。
今回の遅れは、荷が重過ぎる官僚機構や、スタッフの不足、あるいはプログラムルールのせいにされた』

これで、今回の『In Deep』からの引用は終わりにするが、要するに、米国の《影の現実/不都合な真実》が、目を覆いたくなるような状況になりつつあるということだろう。
私たちは、このような情報に触れて、何を思うべきなのだろうか。

一方、自国のこのような《現実》から遊離し、乖離した“金融海賊”からの典型的な“論理”がロンドンで披露されたようだ。

『欧州経済が来年リセッションに陥るのは「ほぼ不可避」=ソロス氏』
出典:ロイター 15日 ロンドン
『米著名投資家ジョージ・ソロス氏は15日、ユーロ圏債務危機への改善対応が景気の下方スパイラル(悪循環)を招いており、欧州が来年リセッション(景気後退)に陥るのは、ほぼ不可避で、その後も何年にもわたって経済の停滞に苦しむ可能性があるとの考えを示した。……
米コマーシャルペーパー(CP)市場では、欧州の銀行に対する貸し渋りの動きが出ているとして、資金調達環境も危機的な状況にあると指摘。欧州中央銀行(ECB)が介入する必要があるとの見解を示した。』
(※もっともらしい事を言っているだけで、要は、中央銀行に大規模介入させて、その上澄みをはねたい(アブクの部分をかっさらいたい)という事だろうに。
まるで欧州市場について利他的に心配をしているかのような口調が笑える。
“金融海賊”が、何かもっともらしい事を言ったからと言って、なぜ、それを言わせっぱなしにしておくのか。

「欧州が大不況になりそうになって、ECBが大規模介入に踏み切れば嬉しいな。我々は、巧みにアブクの部分をかすめとってみせますよ、あくまでも合法的にね」と正直な口調で言ったらどうなのか。

自分が国籍をおく足許の惨状など屁の河童、どこ吹く風で、システムの弱点を突いて利益を生み出すのが、この“金融海賊”の典型的な“手口”だろうに。

世界が混乱すればするほど、都合が良い……それは、武器商人と全く同じなのであり、“金融海賊”は《金融兵器》を用いて、世界中に混乱の種をばら蒔き、公的部門が慌てて開いた穴に資金を流し込むと、穴から沸き出る泡の部分をかっさらって行くのだ。

なぜ、世界は、このような“金融海賊”から《金融兵器》を取り上げる事が出来ないのか。
それ相応の理由があるのだろうが、そうやって手をこまねいている間にも、世界は侵食され蝕まれ、病み疲れて、朽ちていくのだ。)

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