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2011年12月14日 (水)

Y染色体による日本人の系統分析について

前回のエントリーにおいて私は『日本人とブータン人とは、その風貌を見るまでもなく、言語の分化以前の歴史と、仏教伝来以降の歴史双方において、恐らくDNAに刻印され沈澱しているなにがしかの無意識を共有しているのは間違いないように思われる』と記した。
このブログのような素人ブログは、別に学術的厳密さや正確さを追い求めるものではないが、上記のような私の直感は、やはり、学術的にもかなり裏付けのとれるもののようであり、
『ウィキ百科事典』の『日本人』の項の『Y染色体による日本人の系統分析』に、言語の分化以前の日本人とチベット系民族の歴史の一端を垣間見ることの出来る次のような記述があったので、備忘録的な意味も含めてここに転載しておこうと思う。

(以下、ウィキ百科事典から、転載。一部、略)

母系をたどるミトコンドリアDNAに対して、父系をたどるY染色体は長期間の追跡に適しており、1990年代後半からY染色体ハプログループの研究が急速に進展した。
ヒトのY染色体のDNA型はAからTの20系統があり、この分析結果によれば、日本人はD2系統とO2b系統を中心としている事が判明した。D系統はYAP型(YAPハプロタイプ)ともいわれ、アジア人種よりも地中海沿岸や中東に広く分布するE系統の仲間であり、Y染色体の中でも非常に古い系統である。
この系統はアイヌ人・本土日本人・沖縄人の日本3集団に固有に見られるタイプで、朝鮮半島や中国人にはほとんど見られない事も判明した。これは縄文人の血を色濃く残すとされるアイヌ人88%に見られる事から、D系統は縄文人(古モンゴロイド)特有の形質だとされる。
アリゾナ大学のマイケル・F・ハマーのY染色体分析でもYAPハプロタイプ(D系統)が扱われ、さらにチベット人も沖縄人同様50%の頻度でこのYAPハプロタイプを持っていることを根拠に、縄文人の祖先は約5万年前に中央アジアにいた集団が東進を続けた結果、約3万年前に北方ルートで北海道に到着したとするシナリオを提出した。
現在世界でD系統は極めて稀な系統になっており、日本人が最大集積地点としてその希少な血を高頻度で受け継いでいる、それを最大とし、その他では遠く離れたチベット人等に存続するだけである。
これは後に両者を分ける広大な地域に、アジア系O系統が広く流入し、島国の日本や山岳のチベットにのみD系統が残ったと考えられている。奇しくも大陸で駆逐されたD系統は日本人として現在まで長く繁栄する事になった。
なお東西に引き離されたD系統は、長い年月による東(日本)がD2、西(チベット等)がD1、D3となった。D2系統はアイヌ人・本土日本人・沖縄人の日本人集団固有であり、他地域には見られない。
O2b系統はO2系統から分かれた系統で、日本及び朝鮮半島・中国東北部に多くみられる。
O2系統からは、他に東南アジアやインドの一部に見られるO2a系統が分かれている。

(転載、終了)

上記は、あくまでもY染色体に着目した場合に考えられる民族系統の動きではあるが、科学的な実証データに基づくものであることは確かであり、日本人とヒマラヤ山岳諸民族との、言語発生以前のただならす類縁性を示すものである。
このようなデータに注目してみれば、日本人とブータン人の風貌が瓜二つである事は当然のことだと言わなければならないだろう。
言ってみれば、「考古学的絆」によって両者は結ばれているのだ。

戦後いち早く《古層》というタームを用いて、日本思想史の分析を試みたのは、丸山真男だったろうか。
浅学の身のゆえ、丸山真男が、そのタームによって何を論じようとしたのか、漠然とした記憶しかないが、(というよりも、ほとんど記憶として残っていないが)、
今、私たち日本人に必要なのは、《古層》概念の拡張と、現代へのその繰り込みと言えるのではないだろうか。

非常に示唆に富む文章を発表し続けている『安原和雄の仏教経済塾』というブログで、氏は、『GDPよりも国民総幸福の追求を』というエントリーにおいて、ブータン首相の日本における講演内容を紹介しているので、これも自身の備忘録的意味も含めて、ほんの一部転載させていただく。
ブータン王国の政治的実務を司り、恐らくブータン国王のブレーンとしても機能しているのであろう、ジグミ・ブータン王国首相は、GNH(国民総幸福)を次の4本柱の戦略によって追求しているとのこと。

(以下、『』内、上記ブログからの引用)


*持続可能かつ公平な経済社会の発展
*ブータンの脆弱な山岳環境の保全
*文化・人間の価値の保存と促進
*良きガバナンス

この4つの理念を更に以下のような9つに区分された具体的政策分析によって、具体化及び評価しようとしているとのこと。


①貧困のレベルを測定する生活水準
②死亡率や罹患率を含む保健衛生
③教育水準と現状の関連性
④資源状況、生態系などの環境
⑤文化の多様性としなやかさ
⑥人間関係の強さ・弱さを測る地域社会の活力
⑦国民の時間の使い方、精神的・情緒的な健康
⑧暮らしへの満足感
⑨統治の質

ここに示されているような考え方は、政府と国民相互の信頼関係が前提になければ成り立つまい。
しかし、ジジェクあたりを筆頭とする、欧米型の《リベラル》概念の混迷と崩壊をいみじくも指摘しているリアリスティックな議論等をふまえれば、《貨幣》を媒介としない《信用》の創出とはいかにあるべきなのか、その叩き台として十分に考慮に値するものと思う。
「(近代)法の支配下」の「自由」は、「法の支配者による支配者のための自由」にねじ曲げられつつある。
なぜ、そういうことになるのか。
「神は私のみを召される」という無根拠な確信を抱くことの出来る“自由”を野放しにし過ぎているからではないのか。
「自由」と「幸福」は、どこで交差するのか。

そのような問いを問わなければ、人類の持続可能性は、加速度的に低下して行かざるを得ないのではないか。

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コメント

まだDNAの二重らせん構造も発見されていない頃にアイヌ人こそが本当の日本人だと見破っていた人がいる
それは出口王仁三郎という人で、木庭次守編の「新月の光〉―出口王仁三郎玉言集」その下巻の359頁にて、「アイヌ人は本当の日本人だ」と発言されていた事が記録されています

投稿: | 2015年12月 4日 (金) 23時48分

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